中古車を高く売るコツは、車の状態が良いうちに査定を受けることと、相場が高いタイミングを狙って売却することです。
売り先には車一括査定、専門店での買取などがあり、交渉の仕方や車種によって買取価格は大きく変わります。
同じ車でも事前準備とどこに売るかによって数万円から十万円単位で差が出ることもあるので、納得できる価格で売りたいなら事前準備とどこに売るかを考えましょう。
低走行で新車に近い車ほど高く売れる
走行距離が短い車両ほど消耗品が少なく写真映えもしやすいため、買い取りしても在庫の回転が良くなるため、査定の価格は上がります。
また、後づけが難しい純正オプション品や人気の車種・カラーであれば需要が高くなることから、買取価格も高くなりやすいです。
買い取りしても在庫になりにくく中古車として販売しやすい、車は車買取業者にとって高く買い取りしやすい車といえます。
年1万キロ以内が低走行車の目安
中古車市場では、年1万キロ以内が低走行の目安とされており、走行距離が少ない車は消耗が少なく、査定で加点されやすいため、高値で売れやすくなります。
車の走行距離の目安は「1年あたり1万㎞」といわれます。
引用元:ガリバー 車の走行距離の目安とは
走行距離が短いということは、エンジン内部の摩耗や足回りの疲労、内装の劣化が少ないことを意味します。
中古車として買った人が車を長く乗り続けられることや、外装・内装の傷みが少なく快適に使えるため、同じ車種でも低走行車のほうが人気が高くなります。
販売店も大きな整備や部品交換をせずに販売できるため、ユーザーから高めに買い取ることができるのです。
逆に、年式に対して走行距離が極端に多い場合は過走行車として扱われ、エンジンやミッションなど主要部品の劣化が考慮されるため中古車相場より大きく減額されます。
純正オプションが多数付いていると買取金額が高くなる
メーカー純正オプションは、新車購入時にしか装着できず後から取り付けることができないため、標準仕様の車よりも買取金額が高くなります。
純正品は自動車メーカーが設計と製造をしたもので、品質や信頼性が高いことにくわえ、車両にぴったりのデザインであることも査定が良くなる理由のひとつです。
純正オプションの中でも査定に影響するのは、メーカーナビゲーションシステム、サンルーフ、先進安全装備のパッケージ、電動リアゲート、本革シートなどは、生産ラインでのみ組み込めるメーカーオプションとなっており後付け品との違いが明確です。
セットオプションや限定グレード相当の装備を持つ中古車は、中古車市場の価格より高値で買い取られることもあります。
日頃からメンテナンスされていた
日頃からメンテナンスされていた車は、査定士や次に車を買う人からも故障しにくいと判断されるため、査定額は上がりやすくなります。
整備記録が残っていて、オイルやフィルター、ブレーキパッド、タイヤ、バッテリーなどの消耗品を期日どおりに変えていれば手入れが良かったことは明白です。
車買取業者にとっても再整備のコストを下げられるため、高めの買取金額を提示してくれるでしょう。
ただし、スポーツカーや高級車は性能や安全性に対する期待値が高いので、整備記録がないとマイナス評価になることがあります。
SUVやハイブリッド車など人気車種は中古車相場が安定している
SUVやハイブリッド車は、移動スタイルの変化や燃料費の高騰により、中古車相場が安定している車種です。
ファミリー層や通勤利用者からの需要があるため、年式が古くなっても買い手が途切れにくく、走行距離が多くても急な値下がりはありません。
SUVは実用性で選ぶ人とこだわりで選ぶ人がいるので、年式が古い車でも売却時の価格が崩れにくいです。
ハイブリッド車もバッテリー性能が安定していれば走行距離が10万kmを超えていても値段がつきやすいでしょう。
実際に「トヨタ ランドクルーザー」や国産のハイブリット車は、値落ちしない車のランキングでは常に上位に位置しています。
白・黒・パールなど定番カラーはリセールが有利
白・黒・パールは定番カラーになっているので、車買取業者は中古車市場で販売しやすく、査定額は下がりにくいといえます。
色別の保有台数を見ても、白は48%、黒は17%となっており、全体の65%を占めるほど。
引用元:自動車検査登録情報協会
白や黒は法人での需要がありますし海外でも人気があるカラーのため、中古車相場が崩れにくい車体色です。
また、板金や部品交換時に色合わせがしやすく、飽きがこない無難な色であることも人気の理由です。
ボディと車内をキレイしておくと査定が良くなる
車を高く売りたいなら、ボディと車内をできるだけキレイにしてから査定を受けることで、本来の買取金額より数万円上がる可能性があります。
手入れが行き届いている車両は、故障やトラブルを早期に発見して対処していると判断されやすく、車を買い取った業者が再販しやすいからです。
反対に、ボディのひどい汚れや刺激臭が車内に残っていると中古車として価値が下がるため、買取価格も低くなります。
最低限の洗車でOK!コーティングなどは不要
査定前の洗車は汚れを落として車体の状態を見えやすくする程度で十分で、高額なコーティングや磨き作業はほとんど査定価格に反映されません。
買取価格は車種、年式、走行距離、修復歴、整備記録の有無などが基準の大半を占めるので、お金をかけてボディを仕上げても高価買取にはつながらないのが実情です。
また車買取店は、店頭やオークションへ出す前に自社で洗車やコーティングをおこなうため、査定の段階では不要ともいえます。
最低限の洗車で汚れを落としておけば、査定時にヘコミやキズを確認しやすくなり、必要以上に悪い状態と判断されにくいメリットも。
買取価格に影響のない工程にお金をかけるより、ガソリンスタンドや自宅でできる簡単な洗車にとどめたほうが、コスパよく車を売却できるでしょう。
喫煙車や動物臭の強い車は査定額が大きく下がる
タバコや動物のにおいが強く残る車は、臭いの除去と内装のクリーニングに費用と時間がかかるため、買取金額が下がります。
車買取業者が車を査定したときに第一印象で敬遠もされやすく、値段を抑えないと売れにくい車と判断されます。
中古車情報サイトでは、絞り込み検索の項目に「禁煙車」があるほど、においを気にするユーザーは多いものです。
タバコを長期間吸っていた車のヤニは、天井やピラー、エアコン内部にまで入り込むため、簡単な室内清掃だとヤニ汚れは取れません。
ペットのにおいも同様で、毛やよだれがシートの縫い目やシートレール周りに入り込み、掃除機と拭き取りだけではキレイにし切れないことが多いです。
車を売ろうと考えているときは、車内での喫煙を控えたりペットを乗せたらすぐに掃除したりなど、できるだけにおいを減らしておきましょう。
売却前のキズやヘコミの修理はコスパが悪い
車についている傷やへこみを売却直前に修理すると、傷をそのままにした状態で査定を受けて減額される金額よりも、修理代が高くなることが多いため、走行に支障がなく目立ちにくい傷ならそのまま査定を受けたほうが損をしにくくなります。
車買取店や中古車販売店は板金塗装を依頼する提携先があり一般の整備工場より単価を抑えて修理できるため、自分で先に直してしまうほうが高くつくのです。
JAAI(一般財団法人 日本自動車査定協会)の中古車査定基準では以下のように減額の基準を定めています。
| 傷の大きさ | 減額の目安 |
|---|---|
| 1cm未満 | ほぼ影響なし |
| 1cm以上~9cm程度(カードサイズ未満) | 1万円 |
| 9cm以上~30cm程度(A4サイズ未満) | 1万円~5万円 |
| 30cm以上(A4サイズ以上) | 2万円~8万円 |
目立つ傷があり減額が気になる場合は、株式会社ミックが運営するコバックの板金メニューを参考にしてください。
車を高く売るためのベストな時期とタイミング
車を高く売るためのベストな時期とタイミングは、中古車の需要期であること、車検切れの前であること、モデルチェンジ前であることです。
新年度や決算期などで需要が増える時期であれば、車買取店が仕入れを強化するため査定額が上がりやすいです。
車検切れや直前の車は買取後に車検費用がかかるため、査定の段階でマイナスになることも。
旧型の車は価格が大きく下がるので、モデルチェンジのウワサを聞いたら早めに売却しましょう。
車が高く売れやすいのは3月と9月
3月と9月は、季節の変化による買い替え需要と販売店の仕入れ強化が重なるため、車の買取価格が平均より高くなりやすいです。
3月は進学・就職・転勤に伴う新生活の準備で車を探す人が増え、特に人気の色、走行距離が少ない車、修復歴のない車は査定額が上がりやすくなります。
また、年度末の決算に向けて中古車販売店が在庫を確保しようとするため、通常より高めの価格で買い取る傾向があります。
9月は夏のボーナスを使った買い替えの流れが続き、秋の行楽シーズンに向けて車を購入する人が増える時期です。
特にレジャーに適したSUVやミニバンは査定額が高くなりやすい車種です。
車検が切れる1か月〜半年前が売却の目安
車検が切れる1か月~半年前は、車検費用を無駄にせずに売却できるちょうどよい時期といえます。
残り期間は査定額に影響する要素のひとつですが、長期間残っていれば良いというわけではなく、残りすぎていると支払った車検費用に対する売却金額の費用対効果は悪くなります。
車検を通してすぐに売ると、10万~20万円前後かけた整備費用や税金などをほぼ次の所有者に渡す形になり、買取店の査定で全額が上乗せされることはありません。
多くの車買取店では車検の残り期間を月割で評価するため、たとえ2年分まるまる残っていてもプラスとなるのは数万円程度でしょう。
だからといって車検が切れてから車を売るとレッカーの手配や再車検が必要になり、業者は費用をまかなうために買取金額を減額します。
半年以上残っていれば車買取業者はすぐに再販できるので、車検期間の影響で査定額が下がることはありません。
モデルチェンジ前に売ると値下がりを防げる
所有している車のモデルチェンジ前に売却すると、旧型になることで相場が下がる前に査定を受けられるため、中古車相場の価格を維持したまま車を売ることができます。
新型車の発表や受注停止のウワサが出ると販売店は新型の予約に注力し、旧型は在庫を消化するための値引きが始まるので中古相場も遅れて低下します。
とくにフルモデルチェンジの場合は、現行モデルが旧型として扱われ車を買う人の関心が新型に移ることから、中古車販売店は買取価格を下げて売上を調整することも。
マイナーチェンジでも装備の違いが明確になると、現行モデルの魅力が薄れてしまうので、査定に影響が出やすくなります。
車を高価買取してくれる買取業者の選び方と交渉方法
車を高く売るなら複数の業者に査定を依頼して、買取金額を比較するのがおすすめです。
希望価格を変えたくないからといって、契約書を交わさないSNSや個人売買で売却するのは、支払いや保証のトラブルにつながるので避けたほうが無難です。
車買取業者に売るときは数十万円~数百万円の取引になるため、言い値ではなく積極的に交渉することで最初の査定価格より数万円高くなることがあります。
車一括査定サイトで買取業者を比較する
車一括査定サイトは、複数の車買取業者による査定価格を比較できるうえ、業者同士が競争するために車の買取価格は自然と高くなります。
スマホから売りたい車のメーカー、車種、年式、走行距離などを入力すると複数の車買取業者から連絡が届くので、自分で車買取店を1社ずつまわる手間は不要です。
数社から最大30社まで同時に査定が可能ですが、知らない業者から一気に電話がかかってくるのが不安という人は、業者を最大3社に絞ってくれるサービスやオークション型の一括査定を利用しましょう。
一括査定には多くの車買取業者が参加しており、即決を迫る強引な交渉や車の引き渡し後に不具合を理由に減額を求める業者もゼロではありません。
そのため買取金額はもちろんのこと、減額条件や売却代金の入金日、担当者の対応など幅広く比較してみてください。
中古車買取相場を事前に調べておく
中古車の買取相場を事前に把握しておくと、査定金額が高いのか低いのか自分で分かるため、そのまま買取を依頼するか他社の査定と比較するかを判断しやすくなります。
車買取業者は、利益を確保するために車をできるだけ安く買い取ろうとするので、相場より大幅に低い査定となった場合は理由を聞いたうえで、他の車買取業者にも査定を依頼しましょう。
反対に査定価格が高すぎる車買取業者は、車を引き取った後に理由をつけて減額する可能性もあるため、契約時には必ず減額条件を確認してください。
中古車の買取相場は大手車買取店などの公式サイトで公開しており、個人情報の入力なしで調べることができます。


